アパートに訪問販売が来た。
「愛宕(あたご)のほうのお菓子屋なんですけど…」
「ちょっとお菓子を見てもらえませんか」
スーツを着た若い2人組の男子の時点で、怪しいなと思い、断った。
しかし…
「もし、愛宕の老舗のお菓子屋さんの若旦那と社員で、このコロナの影響で店と社員を守るため頭を下げて一軒一軒まわっているのだとしたら…」
と妄想が膨らみ、
よせばいいのに、財布持って「お菓子屋さ~ん」と2人を追いかけた。
銀色の保冷ケースを開いて見せてもらったときに「あっ」と思った。これ、前にもつかまったやつだ。
高松で後輩のあよこと商店街のお店から出た途端、黒いスーツのお兄さんに捕まり買わされたのと同じチーズケーキが入っている。あの時はちっさいの3個で850円もした。
あよこに「よぅ買いますね、そんなん」と言われたことを思い出した。
しかし、自分で追いかけてフタ開けさせといて「いりません」とは言えず、2個入りの豆大福をひとつ買った。560円(高っ!)。
ご丁寧に領収書までくれたが、岡山県の株式会社名はシールで貼られており、その下は神戸市の会社名。
愛宕のお菓子屋どこいった (゜Д゜≡゜Д゜)?
「愛宕じゃないんですか」と聞いたら、鞄の中から首から下げる名札を出して見せてくれた。
「うちのお店はここです」
はぁ、そうですか。
味は見た目どおり
大福に罪はない
領収書の裏
直接現金で購入した場合、3000円未満はクーリングオフできないと書いてある
さすがに大福はクーリングオフしない。
いろいろ思い出してきた。
私、昔からこーゆーの多い。
大阪で友人と歩いてて、知らない人にすれ違いざまに本を手渡され、なんか「本があなたを選んだのです」みたいなことを言われ、「無料です」と言われたので「ありがとうございます」と言って立ち去ろうとしたら、「印刷代が200円です」といって支払わされた。
あと、これは一人の時だがこれも大阪で。
おばあさんが近づいてきて、
「財布落としてん」
「どこら辺ですか?」ゆうても
「ええねんええねん、どうせもうないねん」
「じゃあ一緒に警察行きましょう」
「警察はええねん、警察は」
「でも」
「家に帰ったらどうにかなんねん」
「はぁ」
「でもな…」
「電車賃ないねん…」
200円あったら帰れるねん、帰れるねーん!
ゆうから渡してしまった。
これもあとで友人から指摘されて「あっ」と思った。言われるまで、ちょっとええことした、ぐらいにしか思ってなかった。
こんなやつおるから、おばあさんもやめられんわな。今から20年以上前の話。
しかし、200円て絶妙な金額だと思う。
300円なら躊躇する。人間の心理をうまいことついている。
あとあれ、瓦町の駅前で宗教の人に手をかざされたことある。待ち合わせに遅れてきた友人は、私が手をかざされ終えるまで柱の陰からじっと見ていたらしい。
おめーが待たせたせいでかざされとんやが。
かざされてる間 薄目を開けて周囲を見ていたら、人はみな「あー、かざされとるなー」て顔で通り過ぎていった。
手をかざす人は、風邪引いて寝てる時もピンポン押して家にやってきたことがある。
「風邪引いてるんでけっこうです」と断ったのに、「それならなおのこと」ゆうて、たっぷりかざして満足そうに帰っていった。
かざし終えて「どうですか?」と聞かれ「しんどいです」と答えたら、「お大事に」と言われた気がする…
ありがとうございます…(?)
熱が高くてあまり覚えていない。これも20年以上前の話。
全然成長しとらんやないか。
今度から気をつけよう。
(いや無理だろう)