いち子さんが我が家にやってきたときの話。
2015年10月10日、作業をしていたオッサンが庭で倒れている黒ねこを見つけ抱き上げた。
その子はあまりにガリガリで、そっと地面におろすと、足を引きずりながら隣の空き家まで移動した。
煮干しをあげると、すぐに平らげた。
とりあえず近所の動物病院に連れていくことにしたのだが、診察の間ずっとぶるぶる震えていた。
左足の太ももが大きく腫れており、先生が針を刺すとそこから大量の膿が流れ出た。先生がぎゅうぎゅうと傷口を絞るのをひたすら耐えていた。
先生曰く1才ぐらいのメスで、傷は噛まれたかなにかで骨折はないとのことで一安心。
うちはすでに育ち盛りのにゃんず3匹で手一杯であったが、自ら我が家に来たのはこの子だけなので、運命だと思い家族として迎えることにした。
あまりにガリにゃんだったので、消化がよく栄養満点の子猫用フードを毎日お腹いっぱい与えた。
その結果。
イチコデラックス(右)
お客さんが来ると一目散に押入れに逃げこむ。
極度のビビリのため、家族以外はめったにいち子さんを見ることができない。幻のねこと呼ばれる所以である。
レアな寝姿
黒いおまんじゅう
男の子なら当時流行りの五郎丸で決まりであったが、実はいち子さんには一番になる理由があった。
いち子さんが我が家に現れた10月10日は、我が家の一番ねこ、トムの誕生日であった。
なくなったねこは天国から飼い主をずっと見ていて、ある時生まれ変わり、橋をかけて飼い主のもとへ帰ってくると本で読んだことがある。
我々夫婦はトムが旅立って1年、ちょうど1才になったとき、こうして戻ってきてくれたのだと思った。
先住ねこがいたのは計算外かも知れないが。
実際、まん丸の目はもとより極度のビビリであるところや興奮したら噛んでしまうところ、ベッドにたどり着くルートなど、細かいところがトムにそっくりである。
いち子さんはトムと同じくオッサン(お父さん)が大好き。
お父さんが仕事から帰って脱いだジャージの匂いを嗅ぐのが日課である。
スーハー
というわけで
我が家のにゃんずは今日もみんなでごはんを食べる。
全員ぷりぷり
にゃんずのお茶碗は波佐見焼。
自分のお茶碗は決まっている。
みんな、我が家に来てくれてありがとう。
毎日、幸せをくれてありがとう。