昨日、「ドライブ・マイ・カー」という映画を観に行った。
赤いサーブが出まくる映画ということで、公開前から楽しみにしていた。
映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイト (bitters.co.jp)
サーブはスウェーデンの車で、細長い顔、そそり立つフロントガラス、逆向きに開くボンネット、垂れ下がったおしり、あの形は今はもう製造されていない。
映画に出ていたのは、クーペでターボ、しかもキーレスエントリーという高級仕様。
私が乗っていたのは、900i セダンである。
29歳からの10年間、ずっと相棒だった。
ボンッと閉まる鉄のドアと低いエンジン音、丸くてカチカチ回るスイッチ、純正カセットデッキ、太めで手に吸い付くようなハンドル、つかず離れずフィットする革シート、映画の中でみさきが運転するシーンでは、まるであの頃の自分がサーブに乗っているような、不思議な感覚に陥った。
当時、他のオーナーさんも困っていたが、サーブは電気系統が壊れまくるのでたいへんな金食い虫であった。しかし、主人(私)が無職の時は必死で耐え、臨時収入があるとその額に見合った壊れ方をするという奥ゆかしいやつだった。
サブ造と名付け、車中泊しながら一緒に旅をしたこともあった。
当時、旅の記録や修理記録はこちらを使わせてもらっていた。
SAAB!SAAB!SAAB!! (saabturbo.net)
サーブオーナーさんたちと修理について情報交換したりと、とてもありがたい場であった。
私は基本だらだらと日記を書いていただけなのであるが、自分で言うのもなんだがあとで読むとこれがけっこうおもしろい。
会員登録が必要となるが、興味のある方はぜひ。
九州一周の懐かしい写真が出てきたので載せてみる。
思い返してみると本当にいい車だった。
もう二度とあんなやつには出会えない。
独特のフォルムに高鳴る胸と、もうあの頃には戻れないという郷愁、限られた時間でも一緒に過ごしてくれたことへの感謝、もっともっと大事にすればよかったという後悔、映画のストーリーと重なる部分が多かった。
観に行ってよかった。