いち子さんは朝早くからパンをこねます。
「ウンショ、ウンショ」
「次郎はパンこねないの?」
「俺はええわ」
「そう、残念ね」
「一緒にこねればいいのに」
「どうやるん」
「こうやってこねこねするの、こうやって」
「ほーら出来た、あら?」
「どこ行ったのかしら」
「せっかく出来たのに」
「悪いけど俺は上に乗る派」
「同じく俺も乗る派」
!!
「なかなかええやんこれ」
「あの兄弟…」
「全っ然分かってないわね」
「姉さん怖ぁ…」