軍曹が大きくなった。
タランチュラ並み
なかなかの破壊力である。
浴室に現れたときは、さすがにその日の入浴を断念した。
そんなある日の朝。
大学に行こうとしたら、玄関に軍曹がいた。
「おはよう」と声をかけるとカサッと動いて、玄関を開けると一緒に外へ出てきた。
いつか別れの日が来ると思っていた。
きっとそれが今なのだ。
あんな狭いアパートではお腹いっぱい虫を食べられないし。
なにより軍曹は、成長した自分の存在が私にとって脅威となり始めたことを感じ取ったのだろう。
堂々と正面を見据え、玄関から外の世界へと旅立っていった。
うずくまって
「そうか、行くんか、元気でな。」
と話しかけていたら、アパートから人が出てきてアワワてなった。
これでよかったのだ。
しばらくの間は、排水口のゴムを見て軍曹を思い出そう。
授業が終わり、久しぶりに早めに帰った日。
洗面所で手を洗っていると、
ん?
発見❤️新しいお友達
ピョンピョン飛ぶので「ピョン吉」と名付けた。
たまらん愛らしさである。