金曜日、郵便局に行った帰りに住宅街で「さぬきうどん」ののぼりを見つけた。
狭い路地で車をUターンさせて、はやる気持ちをおさえながらのれんをくぐった。
店はきれいな一般店。
客席は20ほどで制服のOLさん、仕事着のお兄さんなどが5人ぐらいいた。
家族経営のようだ。
奥さんと思われる50代ぐらいの女性が注文を聞きに来た。
昼のうどん定食(うどん 炊き込みごはん 漬物 一品)680円 を注文する。
「ごはんが白ごはんになりますけどいいですか?」
いけません。
うどんと白ごはんは「なし」です。
冷やぶっかけ単品 430円 に変更する。
途中で駐車場の車を入れ換えたりトイレに行ったりしながら、うどんが出てきたのは注文してから15分後。
砥部焼の丼が麺を引き立てる。
いただきます。
ズルズル…ムニュ?
ムニュムニュムニュムニュムニュムニュ…
こ、これは?
ビロビロとした多少ゆがきすぎのやわらかさも感じるが、決してこしがないことはない。
しかし、いつもの「ツルッ ムチムチムチ…ゴクン」をイメージしていたためか、口の中が混乱している。
どこまで噛んでいつ飲み込めばよいのか分からず、眉間にしわがよる。
言っておくが、まずいわけではない。
記憶を辿ると、これは伊勢うどんに近い。
数年前、婆キューム(中学の同級生4人組のチーム名)でお伊勢さんに行ったときに食べたあの感じ。
さぬきうどんと書くからいけないのだ。
いや、いけなくはないのだが。
では、さぬきうどんの定義とは?
全国製麺協同組合連合会のHPによると、公正取引委員会承認10品目
札幌ラーメン 盛岡冷めん 甲州ほうとう 信州そば 名古屋きしめん 出雲そば さぬきうどん 長崎チャンポン 長崎炒麺 沖縄そば
のうち、さぬきうどんの定義は
① 香川県内で生産されたもの
② 手打ち、手打ち式(風)のもの
③ 加水量 小麦粉重量に対し40%以上
④ 食塩 小麦粉重量に対し3%以上
⑤ 熟成時間 2時間以上
⑥ ゆでる場合 ゆで時間約15分間で十分α(アルファー)化されていること
らしい。
食べる側からいえば、どっちでもよい。
条件すべて満たしていたとしても、さぬきうどんとして認められないものもある。
こういうところが「うどん県民、めんどくせぇ」と思われる所以であろう。
さぬきうどんは、定義づけられない。
概念化すべきである。
もっとめんどくせぇことになってきた。